お店から「報酬」として受け取っている夜職の収入は、会社の年末調整のように誰かが代わりに計算してくれません。 でもやることは ①申告が必要か判断する → ②売上と経費を記録する → ③2〜3月に申告する の3つだけです。 このページは、個人で指名を取っている女性が最初に知っておきたいところだけを、国税庁の公開情報をもとにまとめました。
書いているのは予約・顧客・売上管理アプリ「姫カレンダー」の運営です。税理士ではないので、金額が大きい方や判断に迷う点は税務署の無料相談か税理士に確認してください。金額・制度は 2026年9月時点の公開情報です。
まず、お店からの受け取り方を確認します。明細に「源泉徴収」「所得税」の欄があるか、何も引かれていないか、それとも「給与」と書かれているかで入口が変わります。
事業所得(または雑所得)です。収入 − 経費 = 所得 が基礎控除を超えると申告が必要。基礎控除は 2025年分から引き上げられ、所得 132万円以下なら 95万円(所得が増えると段階的に 58万円まで下がります)。源泉徴収されているなら、超えていなくても申告すると戻ってくることがほとんどです。
昼の給与は年末調整で終わりますが、夜職の所得(収入 − 経費)が年 20万円を超えたら確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要(市区町村へ)。副業を会社に知られたくない場合は、申告書の住民税欄で「自分で納付」を選びます。
明細が給与明細で、年末に源泉徴収票が出るなら会社員と同じ扱いです。1か所だけなら年末調整で終わり。2か所以上から給与をもらっている、年の途中で辞めて年末調整を受けていない、医療費控除やふるさと納税を使いたい、という場合は申告します。
国税庁の区分で「ホステス等の報酬」にあたる支払いは、お店が所得税を先に納める決まりになっています。計算は次のとおりです。
(その月の報酬 − 5,000円 × その月の日数)× 10.21%
例: 月 30万円の報酬、30日の月なら(300,000 − 150,000)× 10.21% = 15,315円。この金額が「源泉徴収」として引かれ、お店が税務署に納めます。1年分を合計すると、経費をきちんと引いた本来の所得税より多いことがよくあります。その差が還付です。
支払調書はお店から本人に渡す義務がないので、自分の記録が正本です。毎月の明細をなくさない、または日ごとに売上を残しておくのが一番の防御になります。
雑費・ヘアメイク代・送り代・罰金など、お店が報酬から引いている金額は、手元に来なくてもあなたが払った費用です。売上(総額)と引かれものを分けて記録しておくと、申告のときに「売上はこれ、そこから引かれたものはこれ」と説明でき、手取りだけを書いて損をすることがなくなります。
基準は1つ、「この仕事のために使った」と説明できるかです。私用と混ざるものは、仕事で使う割合だけを経費にします(家事按分)。領収書・レシート・カード明細は原則 7年保存です。
| 区分 | 経費になる例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 交通費 | 出勤・帰宅のタクシー、電車代、同伴・アフターの移動 | 深夜タクシーは「終電後で他に手段がない」ので通りやすい。日付と行き先をメモ |
| 衣装・美容 | ドレス、仕事用の靴・バッグ、出勤前のヘアセット、ネイル | 普段も着る服・美容院・化粧品は仕事割合で按分。「全額」は否認されやすい |
| 消耗品 | 名刺、ライター、お客様に渡す小物、営業用の文房具 | 10万円未満はその年の経費。10万円以上は減価償却 |
| 通信費 | 営業用スマホの料金、LINE の有料スタンプ、アプリの月額 | 私用と兼用のスマホは按分(例: 半分) |
| 接待交際費 | お客様へのお礼・誕生日の品、同伴前の食事で自分が払った分 | 誰に・何のために、を残す。相手の名前は呼び名で十分 |
| 家賃・水道光熱費 | 自宅で営業連絡・画像作成などをしている分 | 面積か時間で按分。全額は不可 |
| その他 | お店に払う紹介料、講習費、確定申告の税理士費用・会計ソフト代 | お店が報酬から引いた「引かれもの」もここ(前の章) |
深夜のタクシーやお客様との割り勘は領収書が残らないことがあります。日付・金額・相手(呼び名)・目的をその日のうちにメモしておけば、出金伝票の代わりとして認められるのが一般的です。月末にまとめて思い出すのは無理なので、出勤の記録と同じ場所に書くのが続くコツです。
夜職が本業で、年間の所得が数十万円を超えるなら、白色より青色申告のほうが確実に手元に残ります。違いは 3つです。
| 白色申告 | 青色申告(簡易) | 青色申告(複式簿記 + e-Tax) | |
|---|---|---|---|
| 特別控除 | なし | 10万円 | 65万円(e-Tax か電子帳簿保存でない場合は 55万円) |
| 赤字の繰り越し | 不可 | 3年 | 3年 |
| 事前の届出 | 不要 | 開業届 + 青色申告承認申請書(適用したい年の 3月15日まで。その年に開業したなら開業から 2か月以内) | |
| 帳簿 | 簡易な記帳 | 簡易な記帳 | 複式簿記(会計ソフトが自動で作る) |
「複式簿記」と聞くと構えますが、freee・マネーフォワード・弥生のような会計ソフトに売上と経費の一覧を取り込むだけで帳簿は自動で作られます。必要なのは「日付・金額・内容」が揃った売上と経費の記録です。2026年分から青色にしたい方は、2026年の 3月15日を過ぎているので今年は白色で申告し、2027年分に向けて 2027年3月15日までに申請すれば間に合います。開業届は出すだけで、出勤先の制限などは何もありません。
確定申告が大変なのは、税額の計算ではなく1年分の記録を2月にまとめて思い出すことです。毎月やることを3つに絞ると、2月は「取り込んで、確認して、送る」だけになります。
誰の予約で、いくらの売上か。お店の明細と突き合わせるのは月1回でいいので、まず日ごとの記録が残っていること。予約を入れたら売上も同時に記録される仕組みにしておくと、忘れません。
タクシーを降りた直後、ドレスを買った直後に「日付・金額・区分」だけ。区分は交通費 / 衣装・美容 / 消耗品 / 通信費 / 接待交際費 / 家賃・光熱費 / その他の 7〜8個あれば足ります。
お店の明細が出たら、売上の合計・源泉徴収額・引かれもの(雑費・ヘアメイク・送り)を転記。明細そのものは写真で残しておきます。これで「支払調書が無い」問題は消えます。
予約管理のついでに、この 3つが同じ画面で終わるようにしてあります。
税額の計算と申告書の作成はアプリでは行いません。記録を揃えるところまでが役割です。9人まで期限なしで無料、9月末までに登録した方は月額 ¥300 のまま据え置きです。
無料でダウンロードして、今月から記録する2026年分(2026年1月〜12月の収入)の申告期間は 2027年2月16日〜3月15日です。還付だけの申告は 1月から出せます。
| いつ | やること |
|---|---|
| 1月上旬 | 12月分の明細を反映し、1年分の売上・源泉徴収額・引かれもの・経費を CSV で出す。国民年金・国保・生命保険の控除証明書を集める |
| 1月中 | 会計ソフトに取り込み、経費の区分と按分を確認。青色なら帳簿が自動で完成。マイナンバーカードと e-Tax の準備(スマホで可) |
| 2月16日〜3月15日 | e-Tax で申告書を送信。源泉徴収されている人は、この時点で還付額が確定。納税がある人は 3月15日まで(振替納税なら 4月) |
| 3月15日 | 2027年分から青色申告にする人は、この日までに「青色申告承認申請書」を提出 |
| 6月ごろ | 住民税の通知が届く(申告した所得をもとに市区町村が計算)。国民健康保険料もこの所得で決まる |
お店から「報酬」として受け取っている場合は事業所得か雑所得になり、収入から経費を引いた所得が基礎控除を超えると申告が必要です。基礎控除は 2025年分から引き上げられ、所得 132万円以下の人は 95万円です。昼に会社勤めがあり夜職が副業なら、副業の所得が 20万円を超えると申告が必要です(住民税は 20万円以下でも申告が必要)。源泉徴収されている人は、申告しなくてよい場合でも申告すると税金が戻ることが多いです。
所得税の源泉徴収です。国税庁の区分では「ホステス等の報酬」にあたり、1日あたり 5,000円を引いた残りに 10.21% をかけた金額をお店が先に納めています。税金の前払いなので、確定申告で経費や各種控除を引いた本来の税額と精算します。経費が多い年は差額が還付されます。
仕事のために使ったと説明できる分は経費になります。ドレスや仕事用の靴、出勤のための深夜タクシー、お客様へのお礼の品、営業用のスマホ代などが代表例です。普段着にも使う服や美容院代のように私用と混ざるものは、仕事で使う割合だけを経費にします。医療費・健康診断は原則として経費ではなく、医療費控除で扱います。
支払調書は税務署に提出する書類で、お店に本人へ渡す義務はありません。頼めば出してくれるお店が多いですが、無くても申告はできます。自分で付けた売上と源泉徴収額の記録(日ごとの明細)が正本になるので、毎月の記録が大切です。
夜職が本業で年間の所得が数十万円を超えるなら青色申告が有利です。複式簿記+e-Tax で最大 65万円、簡易な帳簿でも 10万円の控除が受けられ、赤字を 3年繰り越せます。始めるには「開業届」と「青色申告承認申請書」を、適用したい年の 3月15日まで(その年に開業した場合は開業から 2か月以内)に税務署へ出します。会計ソフトを使えば複式簿記は自動で作られます。
予約を入れると売上が記録され、店の引かれものを引いた手取りと経費メモ(8区分)を月ごと・年ごとに集計します。売上・経費メモ・まとめの 3種類の CSV を出力でき、マネーフォワード・freee・弥生などの会計ソフトに取り込めます。税額の計算や申告書の作成はアプリでは行いません。
参考にした公開情報: 国税庁「確定申告が必要な方」「ホステス等に支払う報酬・料金」「青色申告制度」「基礎控除」「医療費控除」「インボイス制度」の各ページ(2026年9月時点)。制度は毎年変わります。申告前に国税庁サイトで最新の金額を確認してください。このページは一般的な情報で、個別の税務判断は税務署または税理士へ。
予約を入れるだけで売上が残り、引かれもの・経費メモ・確定申告用 CSV まで 1つに。9人まで期限なしで無料、9月末までの加入は月額 ¥300 のまま据え置きです。