確定申告・インボイス
開業届の出し方と青色申告の申請 期限・e-Tax での出し方・控除 65 万・55 万・10 万円の条件
公開・姫カレンダー編集部
個人で仕事をしていると、「開業届を出したほうがいい」「青色申告にすると控除がある」と聞くことがあります。でも、いつまでに、どこへ、どうやって出すのかは意外と分かりにくいものです。
この記事は、夜職・ナイトワークで個人で指名を取っている人や、サロン・セラピストなど個人で働く人に向けて、開業届の出し方、青色申告の申請期限、e-Tax での出し方、青色申告特別控除(65 万・55 万・10 万円)の条件を、国税庁の案内(2026 年 10 月 16 日確認)をもとにまとめました。青色申告と白色申告の違いのあらましは夜職の確定申告ガイドにあります。
出す書類は 2 つ
| 書類 | 何のため | 期限 |
|---|---|---|
| 個人事業の開業・廃業等届出書(開業届) | 事業を始めたことを税務署に知らせる | 開業した年の確定申告期限まで |
| 所得税の青色申告承認申請書 | 青色申告をしたいと申し出る | 原則、青色申告をしたい年の 3 月 15 日まで。1 月 16 日以後に開業した場合は開業日から 2 か月以内 |
出典:国税庁 No.2090 新たに事業を始めたときの届出など
開業届の期限について、ネット上には「開業から 1 か月以内」と書いた記事もありますが、2026 年 10 月時点の国税庁の案内(令和 8 年 4 月 1 日現在法令等)では、開業した日を含む年の確定申告期限までとなっています(国税庁 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)。
ただし、青色申告の申請は開業から 2 か月以内(1 月 16 日以後に開業した場合)です。開業届の期限に余裕があっても、青色申告にしたいなら 2 か月以内に出す必要があります。2 つは一緒に出すと覚えておくと、出し忘れを防げます。どちらも、期限が土日・祝日などにあたるときは次の日が期限になると案内されています。
2026 年分の青色申告の申請期限(2026 年 3 月 15 日)はすでに過ぎています。2026 年より前から仕事をしている人が 2027 年分から青色申告にしたい場合は、2027 年 3 月 15 日までに申請書を出します。
開業届の出し方
出す先と方法
出す先は、住所地など納税地を受け持つ税務署です。国税庁の案内では、方法は次の 2 つです(A1-5)。
- e-Tax:パソコンで e-Tax ソフトを使って作り、送る。初めて使う人は利用者識別番号の取得が必要。e-Tax で出す場合は本人確認書類の添付はいりません
- 紙:様式を印刷して書き、税務署へ持っていくか郵送する。マイナンバーを書くので、本人確認書類の提示か写しの添付が必要です
税務署の窓口の受付時間は、2026 年 10 月 1 日から原則 9 時〜15 時になっています。持っていく人は時間に気をつけてください。
書く欄の考え方
様式には、氏名・住所・マイナンバーのほか、職業、屋号、事業の概要(「できるだけ具体的に記載します」と書かれています)などの欄があります。国税庁の記載要領(2026 年 10 月 16 日確認)には、職業や屋号の欄の書き方の細かい決まりは書かれていません。どう書けばよいか迷うときは、出す前に税務署に聞くのが確実です。
なお、屋号は登録しても氏名の代わりにはなりません。インボイスの公表サイトでの扱いはインボイス登録は必要?にまとめています。
青色申告承認申請書の出し方
国税庁の案内では、青色申告承認申請書は e-Tax ソフト(WEB 版)のマイページから、スマホ・タブレット・パソコンで申請できます。パソコンの e-Tax ソフトでも、紙で持っていく・郵送することもできます(国税庁 A1-8 所得税の青色申告承認申請手続)。
青色申告では、帳簿のつけ方が決まっています。国税庁の説明では、原則は貸借対照表と損益計算書を作れる正規の簿記(複式簿記)で、簡易な帳簿でつけることも認められています(No.2070)。どちらを選ぶかで、次の控除の額が変わります。
青色申告特別控除 65 万・55 万・10 万円の条件
国税庁 No.2072 の内容を、まとめるとこうなります。
| 控除額 | 主な条件 |
|---|---|
| 55 万円 | 事業所得などがあり、正規の簿記(一般的には複式簿記)で帳簿をつけ、貸借対照表・損益計算書などを確定申告書に付けて、期限(翌年 3 月 15 日)までに出す |
| 65 万円 | 55 万円の条件に加えて、e-Tax で申告する。または、仕訳帳と総勘定元帳を「優良な電子帳簿」の要件で保存し、届出をする |
| 10 万円 | 55 万円・65 万円の条件にあてはまらない青色申告 |
気をつけたい点もあります。
- 期限を過ぎると 55 万円・65 万円は受けられません。還付の申告でも、期限までに出すことが条件です
- 控除は所得の額までです。たとえば事業の黒字が 30 万円なら、控除も 30 万円までになります
- 現金の出し入れで計算する「現金主義」の特例を選んでいる人は、55 万円の控除は受けられません
2027 年分からは 75 万円の控除も
令和 8 年度の改正で、2027 年(令和 9 年)分から、青色申告特別控除 75 万円が設けられます。国税庁のパンフレットでは、「優良な電子帳簿」か「デジタルシームレス保存」(請求書などのデータを自動で保存し、帳簿に自動でつなげる仕組み)のどちらかの要件を満たしたうえで、電子申告することが条件で、前もって届出が必要とされています(国税庁 電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?(令和8年6月))。2026 年分の申告では、これまでどおり最大 65 万円です。
会計ソフトがどの要件に対応しているかはソフトによって違います。自分の場合にどの控除を受けられるか迷ったら、税務署か税理士に相談してください。
よくある質問
開業届はいつまでに出せばいいですか?
国税庁の案内(2026 年 10 月確認)では、開業した日を含む年の確定申告期限までです。ただし、青色申告にしたい場合は、青色申告承認申請書を開業日から 2 か月以内(1 月 16 日以後に開業した場合)に出す必要があるので、一緒に早めに出すのがおすすめです。
開業届はスマホから出せますか?
国税庁の案内では、開業届の e-Tax での提出はパソコンの e-Tax ソフトを使う方法です。紙で書いて税務署に持っていくか、郵送することもできます。青色申告承認申請書は、e-Tax ソフト(WEB 版)でスマホからも申請できます。
職業欄には何と書けばいいですか?
国税庁の記載要領には、職業欄の書き方の細かい決まりは書かれていません。事業の概要欄は「できるだけ具体的に」とされています。書き方に迷うときは、出す前に税務署に聞いてください。
65 万円の控除を受けるには何が必要ですか?
複式簿記で帳簿をつけ、貸借対照表と損益計算書を付けて期限内に申告し、さらに e-Tax で申告する(または優良な電子帳簿で保存して届け出る)ことです。どれかが欠けると、55 万円や 10 万円になります。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.2090 新たに事業を始めたときの届出など(令和8年4月1日現在法令等)(2026-10-16 確認)
- 国税庁 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続(2026-10-16 確認)
- 国税庁 個人事業の開業・廃業等届出書 書き方(記載要領)(2026-10-16 確認)
- 国税庁 A1-8 所得税の青色申告承認申請手続(2026-10-16 確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.2070 青色申告制度(令和8年4月1日現在法令等)(2026-10-16 確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除(令和8年4月1日現在法令等)(2026-10-16 確認)
- 国税庁 電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?(令和8年6月)(2026-10-16 確認)