売上・手取り

夜職の手取りはどう計算する? 売上と手取りの違いと、月末 10 分のお金チェック

公開・姫カレンダー編集部

「今月いくらだった?」と聞かれて、つい売上の数字を思い浮かべていませんか。生活費や貯金を考えるときに見るべきなのは、売上ではなく手取りです。売上が多い月でも、引かれるものや経費が多いと、手元に残るお金は思ったほど増えていないことがあります。

この記事は、夜職・ナイトワークで個人で指名を取っている人や、サロン・セラピストなど個人で働く人に向けて、売上と手取りの違い、手取りの計算のしかた(架空の数字の表つき)、月末 10 分のお金チェックをまとめました。確定申告の全体の流れや経費の考え方は夜職の確定申告ガイドにあるので、ここでは毎月の数字の見方に絞ります。

売上と手取りの違い

まず、言葉をそろえておきます。この記事では次の 4 つに分けて考えます。

言葉中身どこで分かるか
売上引かれる前の、自分の報酬の合計(指名やバックなどを足した金額)お店の明細の「総額」「支給額」など
引かれるものお店に払う分・雑費・送りやヘアメイクの代金・源泉徴収された税金などお店の明細の「控除」「引かれもの」など
経費衣装・美容・交通費など、仕事のために自分で払ったお金レシート・領収書・カード明細
手取り売上 − 引かれるもの − 経費自分で計算する

お店から振り込まれる金額(または手渡しの金額)は「売上 − 引かれるもの」です。ここからさらに自分で払った経費を引いたものが、本当に自由に使える手取りです。振込額をそのまま手取りだと思っていると、衣装やタクシー代のぶんだけ使いすぎてしまいます。

給料の決まり方(バックの率、保証、引かれるものの種類など)は、お店ごとに大きく違います。この記事の言葉は一般的な分け方なので、自分の明細ではどの欄が何にあたるかを、一度お店に確認しておくと安心です。

源泉徴収された税金は「前払い」

報酬から所得税が引かれている人は多いはずです。国税庁の説明では、この種の報酬は「支払額 − 5,000 円 × 計算期間の日数」に 10.21% をかけた金額が源泉徴収されます(国税庁 No.2807)。計算のしかたは確定申告ガイドにもあります。ここでは、手取りを考えるうえで知っておきたい点を 3 つ足しておきます。

  • 日数は出勤日数ではありません。国税庁の説明では、営業日数や出勤日数ではなく、報酬の計算のもとになった期間の初日から末日までの全部の日数です。月払いなら、その月の日数(30 日や 31 日)を使います
  • 確定申告で精算されます。引かれた税金は前払いなので、経費や控除を引いて計算し直すと、戻ってくることも、足りずに払うこともあります。毎月の手取りは「引かれたあと」で考え、戻ってきたらおまけ、くらいに見ておくと計画が狂いません
  • 2027 年 1 月からは内訳の名前が変わりますが、合計の率は 10.21% のままです。国税庁の案内では、令和 9 年 1 月以後は所得税に防衛特別所得税と復興特別所得税を合わせた率(所得税率 × 102.1%)で計算し、計算方法に変わりはないとされています(国税庁 防衛特別所得税及び復興特別所得税の源泉徴収のあらまし)

手取りの計算の例

架空の「ゆうさん」の 1 か月で計算してみます。30 日の月に、月 1 回まとめて報酬を受け取る場合です。数字はすべて例で、実際の金額とは関係ありません。

項目金額メモ
① 売上(報酬の合計)400,000 円明細の支給額
② 源泉徴収された税金25,525 円(400,000 − 5,000 × 30 日)× 10.21%
③ お店に払う分・雑費20,000 円1 回 2,000 円 × 10 回の例
④ 振込額(① − ② − ③)354,475 円口座に入る金額
⑤ 経費(自分で払った分)45,000 円衣装 20,000・タクシー 15,000・ヘアセット 10,000
⑥ 手取り(④ − ⑤)309,475 円生活費や貯金はこの数字で考える

売上は 40 万円でも、自由に使えるのは約 31 万円です。差の 9 万円ほどが、毎月の「見えにくい出ていくお金」です。経費になるかどうかの考え方は国税庁の必要経費の説明(No.2210)が基本で、仕事と私用の両方に使うものは、仕事のぶんをはっきり分けられる場合だけ経費になります。

明細の横に書いておくメモの例
10月分 売上 400,000/源泉 25,525/雑費 20,000/振込 354,475 経費 45,000(衣装 20,000・タクシー 15,000・ヘアセット 10,000) 手取り 309,475(先月 288,000 → 21,475 増。指名が 3 本増えた)

月末 10 分のお金チェック

毎月同じ日に、次の 5 つだけやります。10 分で終わる量にしておくのが続けるコツです。

  1. 売上を合計する:日ごとの記録を足して、お店の明細の総額と合っているか見ます。合わなければ、どの日がずれているかをメモ
  2. 引かれるものと経費を合計する:明細の控除欄と、今月のレシート・カード明細から。レシートの残し方は領収書・レシートの保管と整理にまとめています
  3. 手取りを出して先月と比べる:増えた・減った理由を 1 行で。「指名が増えた」「衣装を 2 着買った」など、理由が分かると来月の作戦になります
  4. 税金のぶんを別の口座へ移す:確定申告で払うことになったときや、住民税・国民健康保険の支払いにあわてないためです。いくら分けるかは人によって違うので、前の年に払った額を目安にするか、税務署や税理士に聞いて決めます
  5. 来月の大きな出費を確認する:衣装の買い替え、更新料、旅行など、分かっているものは先にカレンダーに書いておきます
月末チェックの 1 行メモ(そのまま使える形)
◯月 売上   円/引かれもの   円/経費   円/手取り   円 先月比   円(理由:      ) 税金用に移した額   円/来月の大きな出費:

3 か月続けると、自分の「ふつうの月の手取り」が見えてきます。そうなると、売上の多い月に使いすぎない、少ない月にあわてない、という判断がしやすくなります。お客様の来店の記録と合わせて見たい人はまた来てくれるお客様を増やす記録のつけ方も参考にしてください。

税金の計算や、何が経費になるかで迷ったら、税務署か税理士に相談してください。

よくある質問

売上と振込額と手取りは、どう違いますか?

売上は引かれる前の報酬の合計、振込額はそこからお店に払う分・雑費・源泉徴収された税金などを引いた金額、手取りは振込額からさらに自分で払った経費を引いた金額です。生活費や貯金の計画には、手取りを使うと実際に近くなります。

源泉徴収の「5,000 円 × 日数」は出勤した日数ですか?

国税庁の説明では、出勤日数や営業日数ではなく、報酬の計算のもとになった期間の初日から末日までの全部の日数です。月 1 回の支払いなら、その月の日数で計算します。

源泉徴収された税金は戻ってきますか?

前払いの税金なので、確定申告で経費や控除を引いて計算し直したときに、多く払いすぎていれば戻ってきます。逆に足りなければ払います。どちらになるかは人によって違うので、毎月の手取りは引かれたあとの金額で考えておくと安心です。

税金用に、売上の何割を分けておけばいいですか?

所得や控除によって大きく変わるので、決まった割合はありません。前の年に確定申告や住民税で払った額を 12 で割って、毎月その額を分けておくのが一つの方法です。初めての年や、迷うときは税務署や税理士に相談してください。

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